夏休み、100校1万人プログラミングにチューター参加してきた。

7月29日に、"みんなのコード"が主催する下のイベントでチューターをしてきた。

code.or.jp

今、流行りの子供向けプログラミングの1つだが、小学校で必修化するにあたってどうしよう、を少しでも解決しようというイベントである。

申し込みページを見ると、開催地にScratch Dayが開催された古賀市があって、toRuby宇都宮のラズパイ勉強会の高井さんのホームグラウンドだから、彼は必ず参加するに決まっていると思って申し込んだみた。結局、送迎から何から、高井さんにはすっかりお世話になってしまった。感謝!!

みんなのコードから開催1週間前に資料が送られてきたが、自分が何をすればいいのか明確ではなく、不安のまま学校に向かったのだけど、幸いにもみんなのコードから一人、チューターとしてきてくださったので、私の役はHour of code版のマインクラフトの使い方説明プレゼンと子供達の質問に答えたり話しかけること、で済んでしまった。

生徒達は普段、学校でマインクラフトをやっているようで、説明の時の反応は良かったが、Hour of code版は初めての子が多かった。でも操作はいたって簡単なので、みんなすぐに課題にとりかかり、始めて間もなく1段階クリアした時の効果音が教室に響き始めた。早い子はほんとに早く、30分くらいで全部の課題を終わらせた子もいたので、その子達は同じHour of codeのスターウォーズアナと雪の女王をやってもらった。

一方あまり上手に進められない子を見てみると、ループを使うあたりで引っかかっている子が多かった。この課題、キャラクターを決まった位置まで動かすことが目的になっていて、最初は直進するだけなので、”前にすすむ”ブロックを必要な歩数分くっつけると完成する。次に向く方を変えながら、でもシーケンシャルにブロックをつなげる課題があり、そしてループや条件分岐のブロックが登場する。動きも複雑になり、動く以外の振る舞いも導入されてくる。すると子供達の進み具合に幾つかのパターンが現れる。最適なコードを書く子、冗長な部分もあるがループを導入できてる子、ループブロックは置いてあるが中身は空(!!)で、シーケンシャルにたくさんのブロックを置いて実現できている子、たくさんブロックはあるけどゴールにたどり着けない子、そしてループブロックが頭に重くのしかっているのか、手が止まっちゃう子だ。シーケンシャルに実現できている子にはループブロックの使い方や、ループの切り出しをアドバイスするとできるようになる。たどり着けない子も、きっと時間をかければできるんだと思う。そして手が動かない子はちょっとかわいそうだったけど、こちらもなす術が無かった。

授業の後半はややゲームをしている感じになったので終わりにし、最後に生徒に感想を話してもらい授業は終了した。教室をでる時に先生から一人一人にHour of codeの Certificationを手渡されて帰って行った。

 

正味90分だったけど、なんだかあっという間だった。

もっと子供達のコードを見たかったし、お話ししたかったし、もっと気づかせてあげたかったな。語り好きの私にはちょっと不完全燃焼だったな。

 

校長先生から、この小学校では来年度からプログラミングを授業に取り入れると伺った。ハードはiPad40台、近々さらに10台増やすとのこと。やや箱物重視な感じもしたけど、主担当の先生、古河市ではエバンジェリストと呼ばれるそうなのだが、その先生ならきっと大丈夫でしょう。それでも1年間という長いスパンで、何をどこまで教えていくのだろうか。また実習時にチューター役の先生は付くのだろうか。そして、今回のように募集に応えた生徒ばかりではない状態で授業が成り立つのだろうか。いずれ解消できるとは思っていても心配になってしまう。

 しかし、Certificationを手にした時の、子供達の達成感と満足感のあの笑顔を見たら、あまり細かいことは考えず、子供が楽しめればいいのだと強く感じた。そして先生も、その笑顔もモチベーションに一緒に楽しんじゃえばいいんじゃないかな。

 

追加

これから数年間はどちらかというと先生の立ち上げ期間になるだろう。先生にこそプログラミングの楽しさや技法を学んで欲しい。そのためには実務としてプログラムを作ったことのある人間たちが率先して協力すべきだと思う。ボランティアで自分達の培ってきた技法や哲学を先生方に教えるのは、自分達のいるソフトウエア開発の世界への強い投資になるはず。そのためには、今は性善説ベースな仕組みにしかなっていないので、ボランティアをよりシステマチックにサポートする体制も必要だろう。やるべきことはたくさんたくさんあるね。