南小コンピュータクラブ2023 Vol.01
今年度初のプログラミングワークショップ
2023年度になって早くも1ヶ月半がすぎ、私のプログラミングワークショップも今年度初めての開催を迎えた。第一弾は今年で7年目の南小学校のコンピュータクラブ活動だ。先週、RubyKaigiで週の後半は家にいなかったこともあって、準備は日曜日の1日だけになってしまった。(もっと前からできたはずだけど、段取りが悪すぎ) 夜になっても何をしようか迷っていたが、お風呂に入った後くらいから何故だか急に頭が回転を始めたようで、やりたいことがどんどん浮かんでしまい、削除に削除をしてなんとか授業時間の45分に収まるだろうサイズにできた時は午前2時をすぎていた。今(当日の夜)、ものすごく眠い中でこれを書いている。
さて、頑張って作成したワークショップの内容は以下の通り。自分としては初の試みであるアイスブレイクとアンプラグドを中心にした内容にした。
- 椅子を円形に配置し、自己紹介するアイスブレイク
- アンプラグドバブルソート
- プログラミングとは何かを語る
0勝1敗の敗戦投手
結果から言うと、、、、、グダグダの一言。
アイスブレイクの後、1つ手順を、しかもかなり重要な手順を抜かしてしまったために、抜かした直後の内容の意味づけができなくなり、子供たちの興味は薄れ、飽きて別のことをし始める始末だった。それでもなんとか持ち堪えたものの、心配していた時間は逆に余ってしまう事態になった。
壮大なテーマ、、抱えすぎ
今回のテーマは「人の強み、コンピュータの強み」を直感的に理解してもらうことだった。題材に選んだのは、上に書いた2番のバブルソート。人によるソートとアンプラグドのバブルソートを比較してみることで、テーマの「強み」を発見してもらう。人は俯瞰して物を見る、つまりパラレルに曖昧な思考が得意な反面、コンピュータは自身で工夫はできないけれど、同じことを正確にすごい速度で実行できる、ということに気づいて欲しかった。
抜いてしまった、人によるソート
ソートの対象は、自己紹介の時に18名のクラブ員みんなに紙に書いてもらった「好きなこと/もの」にした。予定ではこれをScratchのリストに入力して表示させ、あいうえお順に一人一人が自己紹介していき(つまり、人によるソートを実行している)、次にScratchに仕込んでおいたバブルソートでソートし、「なんだ、自分たちで順を見つけなくてもできたんじゃん」と落胆させたところで、子供たちを使ってアンプラグドバブルソートを実演、その手順の多さから、それを瞬時にこなすコンピュータの凄さと、単純な手順しかできないコンピュータの弱さに気づいてもらうという手筈だった。
ところがScratchに入力するときに自己紹介をさせてしまい、人によるソートを飛ばしてしまったのだ。Scratchでバブルソートしたときに気づいたが、時すでに遅しで、アンプラグドのバブルソートをやったものの、「なんでこれやってるの」という空気になってしまった。それからはもうグダグダに。時計を見ると予定よりも15分も早く進んでいる。仕方ないので、円陣のままでアンケートを取ろうと、みんなのプログラミングの経験やCahtGPTの話をした。まあそれなりにみんなを知ることができたし、なんとかアイスブレイクの中の「自由に発言する」が望まれている場であることは理解してもらえたようだった。
なぜなぜ
一言で言うなら、ファシリテートする手順が複雑で多すぎたのが原因だろう。その複雑な手順をマスターするまでの時間が短すぎたとも言える。アイスブレイクはいい、だけどそこにソートを入れ、しかも「コンピューターとは、、」に近いことまで入れ込むのは、今ふりかえるといかがなものか、と言う感じだ。
教訓
「脳が活性化すると頭に血がのぼり興奮状態になるが、これは失敗への序曲であることを忘れるなかれ」
前日の夜、ぎりぎりになって頭が冴え始め、理想的なワークショップが完成できたと感じたのだった。しかし冷静に振り返る時間も練習する時間も取れなかったのだから失敗して当然だ。
とは言え、この内容自体、悪いものでもないと思っている。ストーリーとして通っているし、バブルソートはアンプラグドでも比較的わかりやすいアルゴリズムだ。そして"第二回"でQuickソードをアンプラグドで実演することで、コンピュータでのアルゴリズムを考えることの重要さを実感できる(はずだ)からだ。
ぜひ、今回の失敗を土台に同じフォーマットをもう一度やりたい。どこか良い機会ないかなぁ。。。。
次回のクラブは6月、怒涛のワークショップ三連発の1つになる。

CoderDojo古河 (第64回)、4月8日に参加
あったかい、CoderDojo古河
今や老舗感すらあるCoderDojo古河、ほぼ月一で64回開催は、ほんと尊敬できる素晴らしさだ。昨今では参加Ninjyaが15名ほどになり、大所帯なDojoでもある。切り盛りしている「あったかい」さんの人望ゆえとはいえ、ほんとうに西に東に帆走していることに他人事ながら「身体だいじょうぶかぁ!」と心配になるくらいだ。そんなCoderDojo古河だが、この日はNinjya5名くらいのこぢんまりな会だった。理由は通常日曜日開催のところを土曜日開催にしたから。なんでも土曜日の小学生は部活で忙しいらしく、日曜日でもないとDojoに来られないのだそうだ。CoderDojo古河が小学生達にとって、週一日の有意義な休日であることを祈りたい。。。。

5名のNinjya
さて、5名のDojoとなると、規模的にはCoderDojo西那須野とさほど変わらなく、私はメンター参加ではあったが、気持ち的にとてもやりやすかった。Ninjyaからの質問や相談にじっくり答えられたと思う。
先月も一緒に悩んだmbotのNijya、今月も最初はmbotが思うように制御できずにいたが、なんとか時間内に完成できた。本人的には満点ではなかったようだけど、でも走行方向を90度向きを変えるところは、速度と時間の2つのパラメータを計算で求め、実際に走行させてトライアンドエラーを繰り返して求めた力作。彼の粘り強さを見るに、将来の日本は安心だな、とメンター間で頷き合っていた。
もう1つ、私も勉強させてもらっている石原淳也さんのScratch AIを実践しているNinjya。このScratch、実行までに若干おまじないが必要なこともあり、Ninjya一人ではうまくできていなかった。どうもURLのコピペミスが原因だったらしく、そこを通過したら、片手をあげたり、カメラの前でクマに化けたり、いくつか実現できた。このNijya、以前は単純パーセプトロンにも挑戦したようだったけど、時間が足りなくて完成できなかったとのこと。次は一緒にパーセプトロンの肝を探求したいと強く思った。
関われる人数の上限?
二人のNinjyaのことを書いたけど、以前よりも深く関われたことはより良い方向と考えている。これができたのは参加Ninjyaの数が少なかったからだろう。
ただ冷静に人数を数えると、メンターあたりのNinjya数にこれまでのDojoとはそれほど差はないように思える。もしかしたら2人が3人になるだけで関わりが薄くなる可能性も高いけど、それよりもDojoの落ち着いた雰囲気が関わる時間を増やすことへの抵抗感を減らしてくれたのではないかと考えた。それはもしかすると、Dojo実空間のNinjyaの専有率なのかもしれない。もしくはNinjyaがメンターに接しやすくなっていたから、かもしれない。こじんまりとしていると話しかけやすくなることはあるだろうし、それゆえ、今回のように解答に時間がかかる重要な質問が出てきやすかったのかもしれない。
なんにしてもこのDojo感、とても大切なことだし、自身のDojoでも常に心がけるようにしたい。
チャンピオン
冒頭であったかいさんの振る舞いに軽く言及したが、チャンピオンのDojo感に対する影響が大きいのは当たり前だ。でもチャンピオンだけでは制御しきれないDojo感も存在するのではないだろうか。今回のケースから、間接的に募集人数や開催タイミングでこじんまり感は制御可能だろうが、しかし単に人数だけでない、Ninjyaやメンターも含んだシナジーが案外Dojo感を左右していると思えた。このなんともいえない偶然さがDojoに参加して楽しく感じる部分だし、チャンピオンとしての継続の糧なのかもしれない。
たかがCoderDojo、でも考え感じることは多々あるなぁ、と思いを新たにできたDojoだった。
Unity再トライ
お仕事でも若干関わっていることもあり、ゆくゆくはCoderDojoやワークショップで題材にしたいものの1つ、UnityをMacに再インストールした。前にUnity5をインストールしていたのだけど、Macのストレージを圧迫していたので削除してしまった。2016年当時、ストレージをケチったためほんとに苦労する。でもやはりもう少し理解を深めたく「再インストール」することにした。Unity5からだいぶ時も経っているので、インストールバージョンもUnity10とかになっているのかなと思ったら、今は西暦でバージョン名にしているようで、Unity2021が安定版のLatestのようだ。
早速dmgをダウンロードし、ただストレージが足りないのでFilmoraや最近使っていないアプリをたくさん消して、なんとかインストールすることができた。そえでも空きが5GBを切ってしまい、さらにファイルを消すことに、、、ほんとにそろそろ考えないといかんなぁ。
それと本も猫さん表紙のUnity5しか持っていないので、同じ猫さん表紙の「Unityの教科書2022」を購入した。内容はUnity5のとあまり変わっていないけど、なんとなく気持ちは新しいものをいじっている感じでどんどん読み進めていくことができた。並行してサンプルを動かしたけど滞りなく動いてくれて、また昨今、プログラミング知識も増えたのか、簡単な改造も苦労なく実現できた。またコンポーネントとスクリプトの関係も理解しやすかった。たぶん何がわからないのかがわかってきたため、解答に到達できるまでの時間が短くなったから理解しやすいと感じたのだろう。
しかし実際に何か作ろうとすると、いったいどうすればいいのかわからない部分が多すぎて、まだまだではあるな、と実感。
明日のDojoでは軽く紹介をするつもり。Ninjyaにはまだ敷居が高いかもしれないけど、何か面白そうだな、と感じてくれるといいな。
小学校コンピュータクラブ2022年度のまとめ
2022年度の小学校コンピュータクラブの活動が12月12日で完了しました。今年度もコロナ禍で開始が6月と遅れ、そして早くも12月に終了となり、全10回程度とやや少なめでした。生徒に感染者が出ると私のような部外者は学校に入れなくなりますので、いったいあと何回実施できるのか読めない状態で続けていました。生徒の数は4年生から6年生までの約15名で、4年生が10名強でした。女子生徒は2名と少なめでした。
今年で6年目のクラブ活動ですが、今年度はいろいろ成果を出せた年度だったと思います。
主に実施したのはScratchを使用したタートルグラフィックでした。
最初はペンを使って猫を動かしながら線を書く練習をし、猫の角度を変え、壁で猫が跳ね返るようにして、ペンの色を変えることで綺麗な線分を描きました。そして四角形から始まった図形の一筆書きは、三、五、六から多角形までの図形を描き、その中で繰り返しのプログラミングテクニックを学びました。それ以降は五芒星を描くことで、辺の数と角度の組み合わせによって図形が変化することを学びました。
ここで続きをどうしようか少し迷いました。このままフラクタルに行く手もあったのですが、敢えて離れて、重力モデルを使って猫を自然に落下させ、マリオのようなゲームの一部を作ること入れてみました。最後にはパーティクルを使ってたくさんのボールが放物線を描いて飛ぶプログラミングをしました。
重力モデルは選択してよかったと思っています。理論的な意味づけはできなかったですが、シンプルなコードで放物線が描けるので、みんな思い思いのものを飛ばしていましたね。「こんな簡単にマリオ(の上下の動きが実現)ができるんだ」と驚いてくれてました。
残りあと二回となった時、私は本業でクラブに参加できなかったのですが、どうも子供たちは自由にプログラミングをしたようで、最終日には各自が私に作品を見せながら説明をしてくれました。それがなかなかすごく、ここまで生徒が自分自身で作品を作れた年は珍しいと思います。
今年度のような密なプログラミングワークショップができたのは初めてと言っていいでしょう。私自身、来年度以降のカリキュラム作成に役立てることができる成功体験になりました。みんなの頑張りに感動した最終日の発表は、ちょっと忘れられない思い出になりましたね。これを機会に、よりプログラミングに親しみをもってくれたらいいなと思いました。
2022年の2月からCoderDojo西那須野を立ち上げていますが、クラブの子も参加してくれて、一人は常連Ninjyaとして今もCoderDojoで活動してくれています。
第十一回CoderDojo西那須野
2023年の初Dojo、1月22日にいつもの南公民館の大広間で開催しました。Ninjyaは3名、常連の3人というところです。

私の希望でマイクラワールドにみんなで入りたいと思っていたのですが、そこまで強くも勧められず、いつものように各自が好きな取り組みを行いました。2名はScratchで作品を作ってくれ、メンタあらたくんも、いつも通りのRTMで路線を拡張していました。Ninjyaお父さんは、Hour of codeのマイクラのようなパズル的なミニプログラミングをやっていて、Ninjyaも興味があっていっしょにやっていました。
今回は開始時に一人一人に今日やることを聞いてみました。決められないNinjyaもいましたが、それでも聞かれた瞬間、頭の中でやりたいことを考えてくれたと思います。これまで、やっている途中で興味がわくものに次々乗り換えてしまうNinjyaもいたのですが、この日は多くても2つことくらいに集中できていたようです。悪くはない方法なようなので、次回からも継続したいです。
ただ私個人としては、もう少しNinjya一人一人に向き合いたいと感じました。もちろん放置しているようなことはありませんが、みんながどこを頑張っていて、何に頭を悩ませているのか、作品からでは掴み取れない部分を知りたいのです。マイクラワールドを提案したのも、メンターがNinjyaに向き合いやすいかなと思ったからです。Ninjyaは楽しみながらも時には言い合いになったり、時には「もう辞めた」という子がでたりするかもしれません。それこそが「今やっていること」の表明となり、メンターにわかりやすく伝わるのではと期待した部分でした。またそのインタラクティブにDojoを感じるし、それこそCoderDojo西那須野のアイデンティティーにしたいのです。
もっともっと活動種の幅を拡げたいですね。
次回は2月19日です。南公民館の和室になります。久しぶりの和室です。
またメンターも募集しています。足りないということはありませんし、今協力してくれているメンターは素晴らしいです。でも経験したことがない人がきてくれることも大切なことです。多くの子がNinjyaとして、高校生以上がメンターとして参加してくれることを待っています。




小学校コンピュータクラブ2022年度、12月12日
12月12日のコンピュータクラブですが、1学期に児童の新型コロナ感染でクラブが中止になったことから、予備日だったのを活動日に変更し、クラブ活動を行いました。今年度最後の活動なので、総まとめ的にしようと、これまでの作品にタイトル画面をつけてみようと考えました。作品としてまとめることと背景の機能の紹介、それとメッセージを使ってみることが目的となります。
最初はシンプルに表紙だけをつけたもので説明しようと思っていました。
https://scratch.mit.edu/projects/775487569/
しかし、徐々にこり始め、最後は以下の作品を作ってしまいました。
https://scratch.mit.edu/projects/772176255/
ちょっと著作権的にまずいかな、と思う部分もありますが、それよりも子供たちや担当の先生にうけてもらいたいと作り上げました。
で、教室に入ってクラブ活動が始まろうとしたとき、担当の先生からのちょっとしたサプライズをしていただき、私へのお礼の手紙をクラブ員代表としてクラブ長さんが読んでくれました。今年度は自分なりにも系統立ててワークショップを展開できたので、子供たちに楽しみだけでなく内容を伝えられたので、この手紙にとても感動してしまいました。
その後は、クラブ員全員が私へのお礼の入った作品を発表してくれました。嬉しさと驚きで、作品をただただ見入ってしまった45分間でした。
最後に私から一言、継続してプログラミングをして欲しいと話しましたが、あまりまとまった話ができなかったのがちょっと残念でした。準備しておけばよかった。
別の日記に総まとめを書きますが、このようなサプライズ企画も含めて充実したクラブ活動にできたのではないかと思っています。
